クラウドの実測データから、性能を読む

左に灰色の箱を置き、中は見えない(Inside is hidden)と示した図。箱の中には到着と処理を表す円と矢印が薄く描かれている。右には外から観測できる CPU 使用率(CPU utilisation)の変動を折れ線で描き、そこから箱へ向けて点線の矢印を引いて逆算(Infer)と記している。

クラウドのデータセンターがどれだけの負荷に耐えられるかを知りたいとき、内部の詳細な設計情報は普通は手に入りません。分かるのは CPU 使用率のような外から観測できる値だけです。

この研究では、その観測値だけを手がかりにデータセンターの挙動を確率モデルで表し、性能を評価する方法を示しました。使用率の時間変化から、内部で仕事がどう到着し処理されているかを逆算する形になります。

研究室が長く扱ってきたマルコフ到着過程や位相型分布の推定技術が、そのまま応用できる問題です。ソフトウェアの信頼性から出発した道具立てが、クラウド基盤の性能評価にも効くことを示した例といえます。

元になった論文

Performance Evaluation of a Cloud Datacenter Using CPU Utilization Data

Mathematics (2023)