数え方がまちまちなデータから、推定する

左に幅の異なる区間が横一列に並んだ帯を置き、一部を灰色にして記録なしを表し、日ごと・週ごと・記録なしが混在すること(Daily, weekly and missing records mixed)を示す。中央の EM と記した矢印を経て、右になめらかな曲線を描き、整形せずにそのまま推定できること(Estimated directly)を表した図。

信頼性の推定には故障の記録が要りますが、実際の記録は理想的な形をしていません。ある期間は日ごとに数えていたのに別の期間は週ごとだった、途中の記録が抜けている、といったことが普通に起こります。

こうした「数え方がまちまちなデータ」をまとめて一般化故障数データと呼び、この研究ではそこから直接パラメータを推定する EM アルゴリズムを与えました。データを無理に整形したり、欠けた部分を捨てたりせずに済みます。

EM アルゴリズムは「見えていない情報を仮に補って推定し、その推定でまた補い直す」ことを繰り返す手法です。欠測を含むデータと相性がよく、研究室が位相型分布やマルコフ到着過程の推定でも一貫して使ってきた道具です。

手元にあるデータをそのまま使えるようにすることが、理論を現場で役立てる条件になります。

元になった論文

Application of EM algorithm to NHPP-based software reliability assessment with generalized failure count data

Mathematics (2021)