まとめて数えたデータから、通信の波を復元する

三段の図。上段は個々の到着時刻が分かる実際の到着(Actual arrivals)を細い縦棒で示し、混む区間と空く区間があることを表す。中段は同じデータを等間隔の区間で数え直した棒グラフで、観測できるのは区間ごとの件数だけ(Only counts per interval are observed)であることを示す。下段はそこから復元した到着の波(Recover the wave)を曲線で描き、上段の到着を薄く重ねている。

ネットワークのトラフィックは一定の速さでは流れません。混む時間帯と空く時間帯があり、しかもその変動には相関があります。この「波」を表す確率モデルがマルコフ到着過程 (MAP) です。

問題は、実測データが多くの場合「1 分間に何件」のようにまとめて数えられている点です。個々の到着時刻が分からないと、従来の推定法は使えません。

この研究では、そうしたグループ化データだけから MAP のパラメータを推定する EM アルゴリズムを与えました。欠測を含むデータでも計算が破綻しないよう定式化されており、ネットワーク性能評価の実務で使える形になっています。

元になった論文

Markovian arrival process parameter estimation with group data

IEEE/ACM Transactions on Networking (2009)