テスト中の状況の変化を、モデルに取り込む

従来(Conventional)の「欠陥が見つかる」だけの単純な流れと、検出待ち・修正中・修正済み(Awaiting・Fixing・Fixed)の三状態を移る提案モデル(Proposed)を上下に対比した図。状態をつなぐ矢印は右へ行くほど太く、テスト体制の変化(Test process changes over time)とともに移りやすさが変わることを表す。

ソフトウェア信頼性成長モデルの多くは、欠陥が見つかる過程を非同次ポアソン過程で表します。扱いやすい反面、「見つかった欠陥がすぐ直るとは限らない」「テスト体制が途中で変わる」といった現場の事情は表せません。

この研究では、非斉次マルコフ過程を使ってモデル化しました。システムがいくつかの状態(欠陥の検出待ち、修正中、など)を移り変わると考え、その遷移率が時間とともに変わることを許します。これによりテスト工程の途中の変化を素直に表現できます。

状態を増やせば表現力は上がりますが計算は重くなります。実用に耐える計算法を与えたことが本研究の要点で、実データでの評価も行っています。

研究室が長く取り組んできたマルコフ連鎖の数値解析と、ソフトウェア信頼性評価が交わる位置にある成果です。

元になった論文

Nonhomogeneous Markov Process Modeling for Software Reliability Assessment

IEEE Transactions on Reliability (2023)